Vol.17 知られざる格闘劇
- rukasugisawa
- 9月8日
- 読了時間: 2分
更新日:11月29日
「Vol.2 混沌」でも少し触れましたが、ファッションの制作スケジュールは少し特殊です。
常に数シーズンが同時進行しているので、頭の中はいつもシーズンが入り混じっているんです。
たとえば、現在市場に並んでいるのは25AWのアイテム。けれどブランドとしては、26SSのパリメイン展示会に向けて準備を進めながら、その次の26AWコレクションの企画にも着手しています。
気持ちはいつも半年〜1年先へ。正直なところ、年中頭が混乱してしまいます。
そしてそれは、皆さんがSNSなどで目にしている写真についても同じです。
真夏に秋冬のコートを着て撮影したり、真冬の寒さの中で春夏のワンピースを撮影したり。
ファッション業界のあるあるですが、体感温度とシーズン感覚のギャップがすごいんです。
先日の撮影もそうでした。気温は40℃近い真夏日。
モデルは太陽のギラギラする炎天下で、秋冬のルックを着こなし、暑そうな表情は見せず、逆に温かいように振る舞います。決して涼しくない風が吹き続ける中、その風が止むか弱まるまでシャッターを切らずにスタンバイしているんですが、その間にカメラが高温になり画面に警告表示が出たりします。触ってみると本当に「黒いレンガ」かのように熱くなっていました。一つのルックを撮り終えても、完全に汗が引くまで次の撮影には取り掛かれません。フォトグラファーが「まるで罰ゲームでもしているかのようだ」と嘆いていました。
撮影現場は本当に過酷で、表向きにはピシッと整えて、かっこよく仕上げている写真も、その裏ではモデルもスタッフも汗だくになりながら大奮闘しているんです。
ファッションの世界は華やかでおしゃれな部分だけではなく、実は体力勝負のところもあるんです。
そんなリアルな舞台裏を知っていただけると、DOMELLEの洋服を少し違った角度から楽しんでいただけるのではないでしょうか。あれ、こんなことをお話ししちゃうと、次からは真面目な顔をしているモデルの写真を見るたびに笑えちゃうかもしれませんね。

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DOMELLE is a Tokyo-born womenswear brand dedicated to quietly shaping modern life through refined materials, disciplined silhouettes, and a sense of serene confidence.

