第12話『DOMELLEのシルクニット』
皆さん、こんにちは。
桜もすっかり緑に変わり、夏に向けてだんだんと暖かくなってきましたね。
私は、そろそろ夏服の準備をしなくちゃと、先週、クローゼットから半袖を引っ張り出したところです。衣替えの季節は、『ああ、そういえば去年こんな服買ったな。』と、買った服を思い出しながら整理するのが私の毎年の恒例になっています。
そんなことはさておき、現在2025SS企画がスタートしているDOMELLEですが、先日、カシミヤとシルクを主に取り扱う東洋紡糸という繊維会社の素材展示会に行ってきました。
今回は、DOMELLEのニットに採用している東洋紡糸のシルク素材についてお話ししたいと思います。
シルクについて
皆さんは、シルクにどのようなイメージをお持ちですか?
「高価」「天然素材」「天然だからお肌にも優しい」「環境に良さそう」
そういったイメージをお持ちではないでしょうか。
シルクは、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から作られるタンパク質の天然繊維です。
天然繊維の中でも、採取できる量に限りがあり、希少性が高いだけでなく、繊維になるまでたくさんの行程を経ている為、高価な素材として扱われています。
衣料用素材として人気の高いシルクですが、そのデリケートさ故にお洗濯が難しく、摩擦に弱いのが悩みどころでした。
ところが近年、水洗いのできるシルクが市場に出回ってきました。
基本は何らかの素材や薬剤をシルクに付加する事で水分や摩擦への耐性を高める加工をしており、その多くは樹脂コーティングが施されています。
現在流通するウォッシャブルシルクのほとんどは、石油由来の樹脂コーティング剤を使用しており、せっかくの天然繊維の長所である効用が発揮されずにいます。
東洋紡糸のシルク
ですが、DOMELLEが採用する東洋紡糸のシルクは、手洗い可能な100%天然繊維のピュアシルクなんです。
独自の特殊プロテインコーティング技術を採用し、シルクの滑らかさや優れた調湿性を保持しつつ、天然成分であるプロテインで糸をコーティングすることで、耐洗濯性・耐摩擦性の高い、扱いやすい絹糸にしているのです。
素材そのものの良さを引き立たせる加工技術。素晴らしいですよね。
さらに、シルクは水で洗うと伸びやすいという性質を持っていますが、そのプロテインコーティングをすることで、伸びを抑え、手洗いを可能にしています。
お洗濯や摩擦などで起こる毛羽立ちや表層の微細なはがれにより、色が白っぽく見えてしまうことを白化現象といいますが、その白化現象の抑制もしてくれます。
私たちの肌と絹は、ほぼ同じアミノ酸(タンパク質成分)でできているそうで、絹は人との親和性が高く、素肌に優しく、かぶれや接触性皮膚炎などを起こしにくいとされています。
さらに、消臭性、紫外線カットなどにも優れています。
このように、東洋紡糸は常に新しい絹糸の開発をしています。
その開発されたシルクには、様々な可愛らしい名前が付けられていて、商談の席にも関わらず、思わずクスッとしちゃいます。
例えば、繭からとったであろう『MAYUCA』。
そして、猛暑の夏でも丈夫に育つ蚕を開発した新品種『夏子』。
DOMELLEでも実際に『MAYUCA』と『夏子』を使用しています。
その『MAYUCA』や『夏子』含め、シルクはとても繊細な素材の為、扱えるニット工場も数少ないんだそうです。
丁寧に扱う分、手間と時間がかかりますからね。
そこで先日、DOMELLEのニットを編んで頂いている長野県の工場へ視察に行って来ました。次回、Vol.13にて、その時の様子を詳しくお話しさせてください。
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